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「法科大学院未修者コース1年生」が答練を始める時期

法科大学院未修者コース1年の前半5月、6月ころからがベストです。

ただ、答案練習の方法を工夫し、段階的に無理なく起案能力が上昇するようにする必要があります。司法試験は競争試験です。他の受験生より早めに、より手堅い手を打つことは賢い選択です。

1 未修者と既修者の差は、「答案練習の量」にありますから、
  未修者は「既修者よりも積極的に答案練習を」する必要があります。

法科大学院既修者コースの在籍者は、通常は、相当数、答案練習をしていますが、法科大学院未修者コース在籍者は、通常は、答案練習をしていません。

従って、2年生になった時に、既修者在学生に追いつき、追い越すためには、既修者在学生以上に積極的に、答案練習をする必要があります。

2 7月8月の進級試験に間に合うように5月ころから答案練習を!

論文試験はもちろん、法科大学院内の進級試験も、通常は事例式の論文試験です。ですから、答案練習をしなければ、7月から8月、1月から2月にかけてなされる法科大学院の進級試験にも合格し難いことになります。

進級試験の答案を書くには、答案練習は重要です。「7月から8月の進級試験」に間に合うよう、「5月ころから」答案練習を開始する必要があります。

3 法科大学院入学直後から短期集中で最低限のインプットを!

ただし、最低限の情報なく演習をすることはでませんから、まず、論文試験によく出る基本」の定義・趣旨・要件・効果・論証を覚えましょう。

法科大学院未修者コース入学後直ちに、論文試験必須の定義・趣旨・要件・効果・論点の誤解欠缺なく理解し、かつ、これらを100%的確に速答できる程度に記憶するべく努力と工夫を重ねる必要があります。

4 インプットが不完全でも、課題・予習が忙しくても、答案練習を開始してください。

インプットが不完全でも、課題や予習が忙しくても、答案練習を開始しましょう。
答案練習の前提として「最低限のインプットが必要である」と言うと、「まだインプットができていない」、「課題や予習が忙しい」、「お金がない」、「時間がない」、「同級生が答練に行っていない」等、実に様々な理由を付けて、答案練習に参加しようとしない法科大学院在学生が、毎年、一定数います。

それは、当面の目標がないから「最低限のインプットが遅遅としてできていない」のです。まずは、答案練習のスケジュールに合わせて目標を設定し、強制的にインプットをすべきです。
最低限のインプットや答案練習をしないから、課題や予習に「法外な時間」を要して時間がなくなり、法科大学院の進級試験を突破できずに留年となるから「お金がない」ことになるのではないでしょうか。

また、純粋未修者で司法試験に一発合格する受験生は、多くの場合、黙々と、定義・趣旨・要件効果を覚え、基本書を何冊も読み込み、旧試験過去問を解き、新司法試験過去問を解き、新作の答案練習会に出ているものです。

5 段階的に順調に起案能力が上昇するよう答案練習に工夫を!

確かに、初心者のうちから、いきなり長文事例のレベルの高い答案練習に出るのは、逆効果となる場合があり得ます。法科大学院未修者コース1年生のうちは、まずは、「旧司法試験の過去問を素材とする答案練習会」に参加するのが現実的です。 既修者と未修者の実力の違いが生じる理由の一つは、旧司法試験の過去問をどれだけ演習したかの違いにあるからです。

もっとも、旧司法試験の過去問もそれなりに難しいのであって、闇雲に答案を書き、解説書や解答例を闇雲に読み込んでも、実力が上がるものではありません。

旧司法試験の過去問を起案したうえで、その過去問について、①事案分析の着眼点、条文選択の判断、要件全体の処理と争点選択の判断、論証、あてはめの各判断を系統立てて分析・学習し、②答案の論理と表現についても正面から厳しい採点・講評を受ける必要があります。

特に法科大学院未修者の1年生が、「否応なしに受験する7月8月、1月2月の学内試験」を突破し、「2年3年と留年をせずに進級」し、「僅か3年後に司法試験に一発合格」するには、相当工夫して、インプットと答案練習を重ねる必要があることは、明らかです。

6 他の受験生よりも早く、より確実な手を打てば道は開けます。

法科大学院の学内試験は他の同級生との競争であり、司法試験も合格者の上限に限りがある競争試験です。

他の受験生より早めに、他の受験生より確実な手を打った方が合格し易いのは、当然なのです。
躊躇せず、より早く、より確実な手を打って行けば、道は開けます。