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論文試験での時間不足の多様な原因と克服について

長文事例の応用問題が中心の司法試験論文試験においては、時間不足対策は、非常に切実な問題です。そもそも、本試験当日はじめて見る司法試験論文試験問題について、2時間時間厳守で、そのすべてを正面から論じきることは、相当困難です。

司法試験問題のどの設問に比重を置き、どこを半ページで切り上げるかの選球眼いかんで得点が大きく上下することになります。

時間配分と選球眼は、論文試験の合否を分ける一つの主要な分水嶺です

そこで、司法試験超直前期は、「難問の見極めと難問の対処の仕方」について、選球眼を養うことが重要なのです。そして、難問か否かの区別は、科目毎に異なります。
難問か否かを見極める選球眼は、科目毎に区別して養う必要があります。

司法試験は時間との闘い

長文事例の応用問題が中心の司法試験論文試験においては、長文事例を読むだけでも時間がかかり、長い事案の分析に時間を要し、あてはめで多数の事実を取捨選択するにも時間を要します。司法試験において、充分に時間不足対策をしているか否かが、合否を大きく左右します。

ただ、下記のとおり時間不足の原因は多様です。
司法試験に次回一発で合格するためには、多様な時間不足の原因について、すべてを克服する必要があるのです。

インプットにおける時間不足の原因と時間不足克服の対策

1 要件効果全体および論点の記憶と時間不足

要件効果全体の理解が甘いと、要件効果を思い出すこと自体に時間がかかるうえに、事例を見て瞬時に要件効果と結び付けることができず、事案分析やあてはめにも時間がかかることになります。

そこで、直前期における時間不足対策として、論文試験によく出る基本条文について、「要件効果全体をあてはめ易い形で押さえ」、事例を見た瞬間、どの条文のどの要件のあてはめ事実であるかを判断できるようにします。

2 事案分析、条文選択、あてはめの知識をクリアにすること

時間不足になるのは、基本問題、応用問題に双方について、事案分析に時間がかかり、条文選択に時間がかかり、争点選択に時間がかかり、あてはめに時間がかかり、事実を過不足なく摘示するのに時間がかかり、場合分けをする判断にも時間がかかる等、初見の問題を開いてから答案構成が完成するまでに膨大な時間を要してしてしまうからです。

このような原因に基づく時間不足の克服には、既にインプットの段階で、
「紛争類型毎に、事案分析、条文選択、争点選択、あてはめの着眼点、事実摘示と場合分けを区別する情報」について、必要充分な情報インプットをしておく必要があります

長文事例の司法試験において、これら「事案分析、条文選択、争点選択、あてはめの」等の知識なく、制限時間内に合格答案を書くことは相当に困難です。なぜなら、前述したように事案分析、条文選択、争点選択、あてはめそれぞれについて、いちいち時間を取られることを繰り返すからです。

アウトプットにおける時間不足の原因と時間不足解消の対策

1 難問と平易な問題を区別する選球眼を養い時間不足を解消

そもそも、本試験当日はじめて見る論文試験問題について、2時間時間厳守で、そのすべてを正面から論じきることは、相当困難です。

そして、司法試験には、平易な問題と難問が混在しています。難問は、当然時間がかかります。「漫然と設問1から順番に書き、設問2の難問で長考の末、平易な応用問題である設問3が途中答案やミス連発」ということを繰り返すようでは、合格は望めません。

時間不足を解消するには、難問と平易な問題を見極める選球眼を養う必要があります。漫然と解いて時間切れになるのか、ポリシーを持って的確に時間を配分し得るか否かが、合否を大きく左右します。

司法試験の超直前期には、単に知識を詰め込むのみならず、「難問か否かを見極める選球眼」を、「科目毎に」区別して養う必要があります。

2 「応用問題を速く的確に処理する能力」を身に付け時間不足を解消

司法試験は、予備試験に比べ、圧倒的に応用問題(派生問題及び基本を応用させる問題)の比率が高いのです。本試験で多数出題される応用問題について、いちいち長考に入り時間を浪費していたのでは、大幅な時間不足となります。

次回司法試験において一発で合格を決めるためには、「憲法、民法、刑法等科目毎に」、応用問題の対処の仕方、応用問題の解法の鉄則をチェックし、応用問題を素速く的確にする能力を養い、時間不足を解消するのが有益です。そして、応用問題の処理方法は、科目毎に相当異なっています。

時間不足の原因を一発で解消して次回一発合格を!

時間不足の上記様々な原因を一発で解消し、是非、次回一発で合否を決めて下さい。